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“違い”を探し、“違い”を味わい、“違い”を楽しむ
“違い”にこだわるからこそ、人生は複雑で魅力的だ。
海外に旅に出るということは、まさに、その活動を短期で凝縮できる
ひと時だと言っても間違いはない。想像力を駆使して、≪違い≫を探す。
空の色、風の音、人々の笑顔、街並み、食するもの、ひとつひとつの中に
貪欲に違いを発見し、素直に感動する感性。
あなたが持っている、その素晴らしい感性を引き出し、豊かな旅のお手伝いをしたい。
それが私の願いです。
“感性を刺激しに旅に出かけませんか?”
そんな招待状のようなレポートをこれから皆様にお届けしたいと思います。
ペコン倫子
ブルゴーニュ=フランシュ・コンテ(*以下BFC)地方の誕生
2016年1月1日からフランス全土22あった州が13に統合されました。
私が15年住んだブルゴーニュ地方は、名前が変わり、この統合により面積はほぼ北海道と同じ、人口は約半分となりました。(BFC 84,061km2、約282万人、北海道 83450km2 約548万人、)
そこで、同郷となったフランシュ・コンテのジュラ地方を訪ねてみました。
<世界遺産 アル・ケ・スナンの王立製塩所>
ジュラ山脈から流れる川の水を用いて塩を作っては、次々にフランス王家の調理場に納めていたという製塩所です。当時でも先鋭的な円形の街づくりを目指した建築様式を残しています。統括者の事務所は展示会に活用されており、世界の様々な地域で塩づくりに携わる人達の表情を撮った、素晴らしい写真展がありました。
<アルボワのカーブ 樽はブルゴーニュの3倍以上の大きさ! >
<アルボワのシャルドネとピノ・ノワール>
この旅行の最大の目的でもあるアルボワ(Arbois)のワインの試飲を楽しみました。ブルゴーニュワインばかり飲んでいる私もここアルボワのピノノワール(赤葡萄)とシャルドネ(白葡萄)の質の高さには、目を見張りました。
写真左のシャルドネは、ワインコンテストで金賞を受賞しています。シャルドネ特有のフローラルで華やかな香りが、しっかり立って、気持ちまで明るくなる味わい。写真右のピノ・ノワールは、フランボワーズの香りを放ちつつ、柔らかで繊細なピノ・ノワールの魅力を引き出していました。何と、どちらも8ユーロ以下!
昨今、高騰が激しいブルゴーニュワインの優秀なセカンドを見つけたような気分になりました。
<ヴァン・ジョーヌ>
ジュラのワインを語る時、忘れてはいけないのは、このヴァン・ジョーヌです。
この地方特有の白葡萄サヴァニャンで作られ、最低6年間樽で熟成されます。このワインは、見事な黄金色を放つことから、黄ワインとも呼ばれる、最高級白ワインの一つです。味わいは、独特。スモーキーでくるみや苦みのある発酵系の風味が口一杯に広がります。赤ちゃんが、オギャーと生まれて小学生になるまでに相当する6年もの間、自然に、じっくりとその味わいを引き出してきた時の流れを感じさせるワインです。
<コンテ・チーズの製造工程>
コンテは、このフランシュ・コンテ地方で年間55万トン作られるフランスでNo.1の生産量を誇る、大人気チーズです。栄養的にはカルシウム分が高く、その含有量は、牛乳の9.5倍、カマンベールの2倍です。大人が1日で摂取しないといけないカルシム量600mgを、このコンテを60g食べることでカバーできます。コンテは、今なお完全に自然な製法で製造されており、製造工程の見学もできます。
<コンテ8割、ヴァン・ジョーヌ2割の超贅沢なコンテ・フォンデュ>
宿泊先は、夕食付きの民宿を選びました。
地方料理が楽しみでしたが、期待を多いに上回る贅沢なコンテ・フォンデュに舌鼓みを打ちました。
このフォンデュとアルボワの白ワインとのマリアージュは、絶品でした。夕食時に、ジュラ特産の食前酒であるマック・ヴァンから始まり、アルボワの白、赤のワインをそれぞれ違うセパージュ(葡萄品種)で2種ずつ、デザートにジュラ・クレマンという辛口スパークワインが振舞われ、ワイン好きには格別のひと時でした!
<民宿をまかなうベロニック>
「日本人のお客さんに以前、出汁巻を作ってもらったことがあるの、何枚も重ねられた卵の層と少し甘い味わいは、今でも忘れられません!」
とほほ笑むのは、民宿をまかなうマダムのベロニック。
こんな素敵な滞在が、ディジョンから約1時間でできるなら、“また、お邪魔します!と約束して、冬の空の下に広がるワイン畑を眺めながら、帰途につきました。