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“違い”を探し、“違い”を味わい、“違い”を楽しむ
“違い”にこだわるからこそ、人生は複雑で魅力的だ。
海外に旅に出るということは、まさに、その活動を短期で凝縮できる
ひと時だと言っても間違いはない。想像力を駆使して、≪違い≫を探す。
空の色、風の音、人々の笑顔、街並み、食するもの、ひとつひとつの中に
貪欲に違いを発見し、素直に感動する感性。
あなたが持っている、その素晴らしい感性を引き出し、豊かな旅のお手伝いをしたい。
それが私の願いです。
“感性を刺激しに旅に出かけませんか?”
そんな招待状のようなレポートをこれから皆様にお届けしたいと思います。
ペコン倫子
イタリアの魅力が凝縮された小都市パルム
ディジョンから夜21時過ぎの寝台列車に乗車。
清潔な特殊リサイクルシーツを広げて、横になり、目覚めると、オペラ調の
言葉が飛び交う異国に着いていました。
朝、6時前。夏の少し湿った冷んやりした空気に触れて降り立った駅は、
ミラノ。
まるで、ルーブル美術館の1画にカフェコーナーを作ったかのような大彫刻を目にしながら、駅構内で甘めのクロワッサンと本格エスプレッソの朝食。ローカル線でさらに1時間ほど、のんびりとしたイタリアの田舎風景を見ているうちに目的地のパルマに到着ました。 パルマの語源はラテン語で“円形の盾”。イタリア語では“聞く”を指します。今はボローニャを首都にするエミリア・ロマーニャ州に属していますが、16世紀半ばから19世紀のイタリア統一までこの街は、パルマ公国の首都でした。州都に定められたのは774年。パルマ大学は、世界最古の大学の一つであり、1502年に創立されています。街の中央に位置するパルム大聖堂は、1170年に原型が完成。スタンダールの“パルムの僧院”にも登場しています。扉を開けるや聖堂内は、寸分の隙間なく装飾が施されており、こちらは、ヴェズレーのセント・マドレーヌ大聖堂の対極にあります。ブラック&ゴールドの装飾で、ベルサーチ風な祈祷台も、いかにも“イタリア”です。同じカトリックの大聖堂でもお国が変わると、こうなるのかと思わず、感心してしまいます。
パルマの旅の目的は、コンサートでしたが、ジャンボン・パルマで名高い生ハムやパルマが由来のパルメザンチーズなどお馴染みの食材のルーツでもある美食の街。老舗の風格あるハム専門店が目に付きます。また、中世にカトリックの隆盛とともに栄えた街らしく、あちこちに美しい建築物が目につき、散歩していると時間を忘れてしまいます。
夕食は、宿のマダムの一押しのトラットリア・アル・トリビネルへ。自家製のフレッシュ・フィトチーネのレモンクリームソースは、シンプルですが、生麺と良質のレモンクリームの調和が絶品でした。
エミリア州は、赤ワインの発砲酒ランブルスコが生産される地方。NHKでも紹介されたそうです。パルマっ子が集まるワインバーでここでしか飲めないビオのランブルスコを味わいました。
芳醇な葡萄の香り溢れるランブルスコを飲みながら、夏の夜が更けるまで語りあかす人達で通りは賑わっていました。