フランス情報とフランス旅行記 2016年9月

  • ジャンジャン・ピエール
    フランス旅行を手がけて20年。私自身もいつも感じることですが、本当のフランスらしさは、パリから先にあります。

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 初日本人!! 2016.09.21.Wed

もう今から20年以上前の話です。ふと思い出したのでブログに書いてみます。
その年、南仏を横断するグループツアーの依頼をいただき、張り切って営業・手配にいそしんでおりました。グループは南仏の香りを訪ねる旅ということで6月末には満開となるラベンダーに合わせて企画したものでした。とにかく当時としてはかなりマニアックな旅行で、ニースからグラースを通り、ナポレオン街道、ヴェルドン渓谷、ムスティエ・サントマリー、ヴァランソル高原へ抜け、プロヴァンスの観光地とカルカッソンヌを巡るという内容で、私はもちろん、現地のツアーオペレーターも様子がよくわかりません。ホテルはお客様からのある程度の指定があったので、旅行の形はできていったのですが、やはりレストランや道路状況、観光地などの詳細情報がわかりません。 私は意を決して、フランスに下見に行くことにしました。 ニースの空港でレンタカーを借りて下見に出発。 ニースには行ったことはあるものの、それ以降のルートは初体験、今ならカーナビとかスマホとか便利なものがありますが、その当時は、そんなものはありません! 市販の地図を頼りに、マニュアル車を借りての不安な下見でした。  
グラースを抜けて、ナポレオン街道を北上、昼食を予定していた町カステラーヌでレストランを探し、ムスティエ・サントマリーへ。 「へぇ~。こんな素朴で癒される場所があるんや!」 石灰質の2つの岩山に挟まれた谷に川が流れ、その川に沿って出来上がった村で、ムスティエ焼きの工房やショップが立ち並ぶなんとも可愛らしい村でした。村にかかるメインの橋から谷の方を見下ろした風景も印象的で、 「来られてよかった!」 と心底思ったのを覚えています。下見なのですが…(#^.^#)

そして、昼食の候補として聞いていた、サン・クロワ湖の畔のレストランでその事件は起こりました。 レストランを訪問し、名刺を出して日本から下見に来た旨伝えると、片言の英語で(こっちもですが)、 「あなた、日本人!!! 生まれて初めて生で日本人を見たわ! ちょっとそこに立って、写真撮るから…。」 と。 映画スターじゃあるまいし…。 「撮った写真、レストランに飾っておいてもいい?」 と。いやいや、ただの普通の日本人ですから…。  

場所も雰囲気も良かったので(決して持ち上げられて気持ちよくなったかからではないです…)、こちらのレストランで昼食を取ることに決め、2ヶ月後、30名ほどのグループでそのレストランを再訪しました。 当然、私は、レストランの壁を隅から隅まで見て回りました。 (ない…ない…。やっぱりない…。) まぁ、こんな事だろうとは思っていましたが、レストランに写真が飾ってあることを少し期待していたんですよね、心のどこかで…  
それなのに件のスタッフが、お客様に対して、同じようなこと言ってました。 「私、こんなにたくさんの日本人を見るの初めてだわ~。」 「写真撮ってもらおうかしら~。」 どんだけ日本人好きやねん!? というか、ただのおべんちゃら!?  
あれから、20数年が経ち、それなりの数の日本人があのレストランを訪問したでしょうが、未だにあの【初日本人!サービス】は継承されているのか、それとも私の写真がレストランの片隅に飾られているのか、確認に行ってみたくなる今日このごろです。(笑)


  

 

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